万葉集の植物

現在ではめったに目にすることがない「ムラサキ」

万葉集にも出てくる紫草、花は可憐な白色ですが根が染料に使われる。
気品高い紫色は本来はこの紫草の根から作られた。

しかし現在は外国産に代わってしまっているという。
国産むらさきの苗の成長が楽しみです。

万葉集から

託馬野(つくまの)に生ふる紫草 衣に染め いまだ着ずして色に出にけり  巻三・三九五
*片思いの恋を紫色に染めた衣装にかさねて「いまだ結ばれないうちに他人に知られてしまった」という意味に詠んだ歌と解釈されている。
(万葉植物園 入場券の説明より)

あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖振る(額田王)
*紫野は紫の草の野という意味。

紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも(大海人皇子)
*紫草のにほへる妹は紫草のように美しいあなたという意味。

講談社 中西 進著引用

椿

河の辺のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野は(万葉集)

講談社 中西 進著引用

弓絃葉(ゆずるは)

古に恋ふる鳥かも弓絃葉の御井(みみ)の上より鳴き渡り行く(巻第二)

* この中の鳥はホトトギス(中西 進著から)

ゆずるははユズリハ(譲り葉)のこと。
新芽が出ると親の葉は枯れ落ちていくことから親から子へ代を譲っていくことから譲葉と名付けられた。

自宅庭で芽を出したユズリハ、左の親の葉が枯れ始めています。

桔梗(ききょう)秋の七草

万葉の時代の朝顔と言われているのが桔梗らしい。(ウイキペディア、他参照)
どちらにしてもきれいで可憐な野生の花です。

自宅に咲いた桔梗です。
やさしい紫色ですが花はしっかりと自己主張している色です。

女郎花(おみなえし)

女郎花と秋萩とが入り混じって咲いている。
蘆城(大宰府)の野原をば今日を見はじめとして何時々々迄も見よう。
(折口信夫著から)

手に取れば、袖さへ句ふ女郎花。此白露に散らまく惜しも(2115)

銀杏の木に実がたくさん付いています。